「少年と海」
「ここは、水没した街。
「少年は、アパートの屋上で栽培した野菜を売って生活しています。 「その少女は、いつまでも
「少女は、お腹を空かせてしました。
「『ありがとう・・・』 「しかし、街にはそのことを
「平気で水の中に入っていく少女は、街の嫌われ者でした。 「もう誰も、彼の作った野菜を買いませんでした。
「ある日、少女が乱暴をされているのを見つけた少年は、
「二人は屋根を伝って逃げました
「しかし、いつまでも逃げられるわけではありません。 「少年は、ここから飛び降りるぐらいなら
「それから、二人が姿を現すことは
「そして、不思議なことに
もうずっと昔から、この街に住む人々は
水と生活を共にしてきました。」
魚が捕れないこの街では、野菜は貴重な食料です。」
「子供たちが水遊びをしています。
しかし、少年が仲間に加わることは
ありませんでした。」
「ラビが、泳いでいた子供たちをしかります。
『この水は、人々の過去の
悪事によって呪われている。
だから、泳ぐなどとんでもない』 」
「少年はある日、
一人の少女と出会いました。」
水の中を覗き込むように
していたので、少年は
とても奇妙に思いました。」
少年は、自分の売っている野菜を一つ、
少女にあげました。」
少女はそれを食べ終えると、
少年の横をすり抜けて海に入りました。
そして、そのままどこかへ
泳いでいってしまったのです。」
「そんなことがあってから、
二人はよく会うようになりました。」
よく思わない人もいたのです。」
そして、その少女と仲良くしている少年も、
いつしか同じ扱いを受けるようになったのです。」
それどころか、大事な畑を荒らされることすらありました。」
乱暴をしていた男の子を、櫂で殴り倒してしまいました。」
後ろからは激昂した街の人々が追いかけてきます。」
ついに二人は、街外れの一角に追い込まれてしまいました。」
「ここから先は
果てしなく海が続いているだけです。」
街の人に謝ったほうががいい
と思いました。」
「しかし、少女は海を恐れませんでした
海までは、誰も追いかけてきません。」
「少年も、少女の目を見て決心しました。」
二度とありませんでした。」
この事件以来、街には魚が戻ってきたそうです。」